戯曲集リスト

◎大竹野正典劇集成Ⅰ…定価:3150円(税込) 

◎大竹野正典劇集成Ⅰ(新装版)…定価:1,800円(税別) 

◎大竹野正典劇集成Ⅱ…定価:2940円(税込)

◎大竹野正典劇集成Ⅲ…定価:2300円(税別)

購入をご希望の方は、くじら企画まで お名前、ご住所、連絡先メールアドレス、希望冊数をメールにてお送りください。

kujira@dsk.zaq.ne.jp


◎大竹野正典劇集成Ⅰ 詳細 


大竹野正典 著

四六判/125×187mm/400頁/検印・シリアルナンバー入り/別冊付き

コデックス装/スリーブ帯/天アンカット/2012年

刊行委員:小堀純/小栗一紅/後藤小寿枝/高岡孝充/塚本修/広瀬泰弘/松本久木 造本設計+DTP:松本久木 装丁:高岡孝充

定価:3150円(税込)


満たされた孤独

   途方もない寂寥

人間の心の澱を、男は執拗に描いた

2009年7月19日、海水浴中の事故により48歳という若さで世を去った劇作家・演出家、大竹野正典。

彼が遺した多くの劇作を紹介すると共に、様々な角度から彼の“生き様”に迫る〈劇〉集成の第一巻(全三巻)

最後の活動母体となる「くじら企画」期からの戯曲8本のほか、作品解説・年譜・上演記録を収録。

また事故の日を関係者の目から綴った別冊「あの日のできごと」を附す。


●収録作品●

『黄昏ワルツ』

『ブカブカジョーシブカジョーシ』

『屋上のペーパームーン』

『サヨナフ』

『夜、ナク、鳥』

『密会』

『海のホタル』

『山の声』


戯曲などという立派なものでは無い。私にとってのホンは、芝居の為に役者が踏みつけるもの。台本であります。云い換えれば、観客を前にしての上演される芝居が全てであり、台本はその為に付随する叩き台と思っている訳です。(大竹野正典「役者が踏みつけてくれたもの」より)  大竹野が「台本」と名づけた、ここに収められた八作品は役者たちが稽古場で、本番の板の上で、力いっぱい踏みしめたものだ。  大竹野が愛してやまなかった役者たちが時に鬼になり、時に菩薩になり、大竹野が憎しみ、愛した人たちの心の澱を絞りとる。ひとりの作家の妄想を超えた、登場人物たちの圧倒的な実在感がここには在る。そうして、それが成しえたものを私たちは「戯曲」と呼ぶのだろう。芝居は上演してこそ意味がある。否、“上演した”ものを「芝居」と呼ぶのだ。[中略]  文学、とりわけ演劇の醍醐味は「誤読」にあると思うが、大竹野が自らの言葉を役者に踏ませ、稽古場で再構築した結果のこれらの「戯曲」こそ「誤読」にふさわしいものはないだろう。ここにある台詞の背後にある、無数の「――」、書かれなかった句読点に思いを馳せてほしいと思う。 (小堀純「台詞の背後にあるもの 発刊の辞として」より)



大竹野正典劇集成Ⅰ 新装版ビジュアル   定価:1,800円(税別)


◎大竹野正典劇集成Ⅱ 詳細


大竹野正典 著

四六判/125×187mm/368頁/検印・シリアルナンバー入り/別冊付き コデックス装/スリーブ帯/天アンカット/2013年 刊行委員:小堀純/小栗一紅/後藤小寿枝/高岡孝充/塚本修/広瀬泰弘/松本久木 造本設計+DTP:松本久木 装丁:高岡孝充

定価:2940円(税込)


私のするべき事は全て私の人生の中に収まっていたんです

   人生の間尺は時間の長さではありませんわ

だからお義兄さんは何も泣く事など無かったのですよ

「サラサーテの盤」より

「大竹野正典劇集成正Ⅱ」である。昨年発刊したくじら企画時代のⅠにつづき今回は大竹野の二十代から三十代の戯曲 ―― 犬の事ム所時代の作品六本とエッセイ四編・詩一編を収録してある 。

私が大竹野を知ったのもこの時期である。(中略)

彼はいつも勤め先のネームが入った上着を着ており、仕事の帰りに事務所に立ち寄ってくれた。

”働く演劇人”であった大竹野だが、私の前に現れた時の貌は”作家”以外の何者でもなく、人懐っこい笑顔の裏に一瞬、狂気の淵がみえた。自作を語る端々に読書家らしい教養――知性を感じた。この男は単なる思い付きでモノを書いたりは決してしない。体躯も頑健そうだが、書くものの土台がしっかりとしている。作品は現代の矛盾を照射した同時代演劇だが、大竹野には長谷川伸や藤沢清造といった、どこか近代の作家のような、そう、「文士」と呼びたい風情があった。 (後略)

”最後の文士”大竹野正典(「大竹野正典劇集成Ⅱ」の巻頭を飾る、刊行委員長 小堀純氏の文章) より。


●収録作品●

『夜が掴む』

『Kのトランク』

『リボルバー』

『トーフの心臓』

『サラサーテの盤』

『ドアの向こうの薔薇』


◎大竹野正典劇集成Ⅲ 詳細


大竹野正典 著

四六判/125×187mm/256頁/検印・シリアルナンバー入り/別冊付き コデックス装/スリーブ帯/天アンカット/2014年 刊行委員:小堀純/小栗一紅/後藤小寿枝/高岡孝充/塚本修/広瀬泰弘/松本久木 造本設計:松本久木 DTP:納谷衣美 装丁:高岡孝充

定価:2300円(税別)


醒めない〈夢〉の恐怖

    笑いと毒が交錯する、幻影の家庭劇

──大竹野正典の原点がここに在る

2009年7月19日、海水浴中の事故により48歳という若さで世を去った劇作家・演出家、大竹野正典。 彼が遺した多くの劇作を紹介すると共に、様々な角度から彼の“生き様”に迫る〈劇〉集成の第三巻(全三巻) すでに作家としてのゆるぎない視座を獲得していたことに驚かされる初期作品からの3本に加え、希少な他劇団への書き下ろし作品3本を収録。 さらに演劇論とも読み取れる公演チラシ・パンフレットのために書いた文章と、舞台写真の数々を採録。 大竹野正典が駆け抜けた濃密な劇の時空。その軌跡を顕す劇集成が、ここに完結する。 (関係者による座談会「共に踏んだ刻」を別冊として附す)。 (後略)

”最後の文士”大竹野正典(「大竹野正典劇集成Ⅱ」の巻頭を飾る、刊行委員長 小堀純氏の文章) より。


●収録作品●

初期作品

『二階の人々』

『笑箪笥』

『一家団欒』

外部書下ろし作品

『愛の棲家』

『ダイヤモンドヘッド』

『極めてガンダム 玉造篇』

写真ギャラリー


器用なやり方ではなかったかもしれない。もう言葉を交わす事も無い。

だけど、父が作ってきた芝居と台本には、直接聞く事はなかった言葉がたくさん詰まっているように思う。

私は父を知りたくなったなら、いつだって探しに行けばいいのだ。 (大竹野 都「前言」より)